隣の家が伸びた雑草の処理をしてくれなくて困っているという方は多いのではないでしょうか。
自宅の敷地を手間ひまかけてきれいにしていても、隣の家の雑草が伸びすぎていると必ず悪影響があります。
伸びすぎて曲がった雑草がこちらの敷地に大量に倒れ込んでいる場合、まず、見た目が非常に良くないです。また、雑草の種が飛んできたり虫が発生したりします。

この記事では、隣の家の雑草に関わる法律である「民法233条」の説明と、雑草を放置して起こるデメリット、隣の家の雑草が侵入している時の対処方法等を説明します。
また、隣の家の雑草が自宅で繁茂している時の対策についても紹介しますので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。

隣の家の雑草に関わる「民法233条」

私たちの日常生活に適用される民法には、隣の家の竹木に関わる「第233条」があります。
「第233条」は、2023年4月に改正され、隣の家の竹木の処理について対処しやすくなりました。

「第233条4項」には、改正前から以下の条文があります。

「隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる」

これは、地下を通じて生えてきた竹木の根は、越境部分に関しては切り取って処分してもいいということです。隣の家の雑草が増えて、根系とともに越境している場合は、隣家の許可を得ることなく処分できるということになります。
しかし、隣近所の付き合いは大切です。できる限り穏やかに解決するために、隣家の人に状況を説明して、雑草の処理を頼んでみることをおすすめします。
複数回、頼んでみても対処してもらえない時は、状況に合わせた対応を考えましょう。

雑草を放置して起こるデメリット

隣の家のから侵入しているものを含め、雑草を放置して起こるデメリットについて説明します。

景観を損なう

雑草が放置されていると、周囲に不衛生で暗い印象を与え住宅地一体の景観を損ないます。
継続的に景観が損なわれる状況になれば、近隣不動産の資産価値の目減りにも繋がりかねません。
雑草の繁殖力は非常に旺盛で、一度そこに根付くと驚くほど速いスピードで増え続けます。
いたるところに種子が飛んで、あっという間に雑草地だらけです。早め早めの対策が、景観を美しく保つことにつながります。

害虫が発生する

雑草を放置していると害虫が発生しやすくなり、成長した害虫の最適な住処にもなります。
雑草の種類にもよりますが、まず、発生してくるのは葉を食い散らかす害虫、アオムシ、ケムシ、ナメクジ、コガネムシ、ダンゴムシ等です。

次に発生しやすいのが、雑草の葉や茎から養分を吸い取る吸汁害虫、アブラムシやカメムシ等になります。
その他、何年も伸びたままの雑草地には、ハチ、蚊、アリ、ムカデ、クモが生息してきます。
そのため、近くに寄ってくる人間を刺したり咬んだりするリスクは高いです。

菜園や花壇への影響

隣の家の雑草が伸び放題で放置されていることで生じる、菜園や花壇への最も大きな影響は害虫による被害です。直接的に、害虫から食害を受ける他、病気の原因にもなります。
特に野菜は、人の口に入ることを前提として育てているので注意が必要です。
その他、種子が飛んできて雑草が生えやすくなったり、風通しが悪くなったりします。いずれにしろ、雑草の放置は菜園や花壇にとって良いことはありません。

不法投棄されやすい

雑草が放置されて伸びていると、そこに不法投棄されやすいです。
空き缶やごみ屑を投げ捨てても、伸びた雑草に隠れて目に触れにくいからでしょう。

放置された期間が長くなるほど、さまざまなものが不法投棄されるようになります。
不要になった粗大ごみや電化製品、タイヤまで置き去りにされることがあるほどです。
不衛生であるだけでなく、長期間にわたって人の気配がないと、防犯上のリスクも高まってくるでしょう。

隣の家の雑草が侵入している時の対処方法

隣の家の雑草が進入して困った時の対処方法を、4つのケースで紹介します。

隣家に直接対処を依頼

自宅の庭の雑草対策を手間ひまかけて行っていても、隣の家の雑草が越境してくるのでは困ってしまいます。こういう時はまず、隣の家の人に状況をきちんと説明し、現場を確認してもらって対処をお願いしましょう。

庭の雑草処理は所有者の義務なので、本当であれば下出に出る必要はないのですが、ここは大人の対応ということで低姿勢を心がけてほしいです。こちらが、このような対処をすると、大抵の場合は快く雑草の処理をしてくれるものです。

間接的に対処を依頼する

隣家に直接依頼するのは、何となく難しく感じるという場合は、間接的に対処を依頼しましょう。
町内会や自治会、管理会社等に状況を説明して、間接的に雑草対策をお願いしてみることです。
特に、隣の家の方の普段からの生活状況を見て、直接のやり取りに不安を感じる場合は無理しないほうがいいです。自治会や町内会が手に負えないようであれば、役所に相談するという手もあります。
一人で悩まず周囲を巻き込んで、なるべく穏便なやり方で対処してもらうように依頼するのがベストです。

催促しても対応しない場合

雑草の処理を何度か催促しても対応してもらえない場合は、弁護士等に相談することもできます。この場合は明らかな実害があることが前提です。
相談だけで料金が発生することがありますので、あらかじめ無料のネット相談室などに問い合わせてみることをおすすめします。
雑草対策で、法的手続きを進めるのは双方にとってリスクが高いです。その前に、できることがないか相談してみましょう。

所有者不在の場合の対処

隣の家や敷地が雑草天国になっていると、自宅をどんなにキレイにしていても大きな影響をうけるため、所有者には雑草対策をしてもらう必要があります。

しかし、雑草が大量に生えている隣の家が空き家だったり、所有者が不在だったりするケースも多いです。建物や土地の所有者がわからない時は、地域の自治体や法務局で調べることができます。
法務局が運営している、インターネットの登記や供託のオンラインステムを活用することも可能です。
所有者や所在地がわかったら、内容証明書付きで雑草処理の依頼をして、その後の対応次第でさらなる対処を決めましょう。

隣の家の雑草が自宅で繁茂している時の対策

隣の家の雑草が越境して自宅で繁茂して、隣の家が対処してくれない時の対策を説明します。対策の内容は、一般的な雑草対策と変わりませんので、自宅の雑草の処理の延長として行うことができます。

除草剤を散布する

ごく狭い範囲に少しだけ生えている雑草は、手で抜いたり刈ったりできますが、一定以上の広さの場合はなかなか大変です。そういう時は除草剤散布がおすすめです。
除草剤を散布する時は、天候への留意が必要になります。風が強いと思わぬところへ飛んでいきますし、散布後すぐに大雨が降ると薬液が流れて効果がなくなります。

また、散布の際は、他の草木やペットなどに気をつけてほしいです。除草剤よりも環境にやさしく除草できるものとして、木酢液や竹酢液がありますが、独特にニオイがありますので注意しましょう。

砂利や砕石を敷く

雑草を生えにくくするためには、砂利や砕石を敷くのも効果的です。砂利を敷くことで、雑草の種子や生え際に射す日光が遮られて、成長を抑制します。
雑草が生えてきても厚い砂利の層があるため、地面に根が活着しづらく抜き取りやすくなります。
また砂利を敷くことで水はけが良くなり、ぬかるみや水たまりができにくくなって、泥はね防止にも有効です。
砂利の厚みの目安は、5~10㎝程度です。数年すると砂利が踏まれて沈んで、土が露出してしまい、そこに雑草が生えてくることがあります。
砂利の下に防草シートを敷くと、防草効果は格段にアップします。

防草シートを敷く

防草シートは太陽からの光を遮り、光合成を防ぐことで雑草の発生が抑えます。
よって、遮光率の高い防草シートを選ぶとより効果が出ます。また、シートの下や地面の下で発生する雑草が地上に出てこないよう、シートが抑え込んでくれます。耐用年数が長いものだと10年以上という商品もあります。それ以外にも、重みで砂利が沈み込むことを防ぐ役割も果たします。自宅の庭から雑草が隣家へ侵入してしまう可能性もあるので、お隣の境界線近くには防草シートを敷いておくと安心です。

お庭のお手入れなら、スマイルガーデンへ

隣の家の雑草が侵入している時は相手が気付いていない場合もあります。例えば、裏庭の雑草が放置されていたり、カーポートの奥や裏側など話をしにくいことではありますが、今後のお付き合いを考えるなら、しっかり伝えて話し合ってみましょう。

そういった狭い場所にエアコンの室外機がおいてあったり、普段使わないものが置かれていると除草も難しい時があります。
smileガーデンの過去の施工例を参考にご覧ください。

例)①

BEFORE

AFTER

雑草が伸びすぎて、隣家との境がどこかわからなくなっています。雑草も放置しておくと背が高くなり、刈り取るのも大変です。

例)②

BEFORE

AFTER

隣家とも近い裏庭ですが、いつも目に入る場所ではないので、知らず知らずのうちに雑草が生い茂っていることがあります。狭い場所なので害虫が発生すれば、すぐに隣家にも影響が出そうです。


いかがでしょうか?親が高齢になり、実家の庭の雑草が放置されているというケースもあります。
施工例①のように雑草の量が多い場合は、プロにお願いするとスムーズに解決できますよ。

トラブルに発展する前に、まずは一度、smileガーデンにお問い合わせください!