砂利敷きでの雑草対策は、比較的安価で手軽にできるので実施される方が多いです。しかし砂利のすき間から草が生えてきて、数年で雑草天国に戻ってしまったという方も多いのではないでしょうか。
この記事では雑草の種類や生えてくる原因、砂利敷きでの雑草対策のメリットやデメリット、実施するときの注意点について紹介します。またDIYした場合とプロに頼んだ場合の費用の違いについても説明しています。
砂利敷での雑草対策で失敗しないために、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。

雑草の種類と生えてくる原因

雑草について基本的なことを押さえておくと、ちょっとした時の判断に役立つのでおすすめです。
これは砂利敷きに限らず、雑草対策全般にいえます。
特に代表的な雑草の種類や性質、雑草が生えてくる原因を知っておくと、
雑草対策はどこにポイントをおいて実施すればいいのか見えてきます。

雑草の種類と特徴

日本には数百種類の雑草がありますが、大きく一年生と多年生の2種類に分けることができます。
一年生の雑草は、種子が土に落ちて発芽し、花をつけ種子をつくって1年以内に枯れる雑草です。
多年生は、地上部が枯れても地中の根や茎は生きて冬越しし、翌年の春以降また芽を伸ばします。
庭に多く発生する雑草のうち代表的なものを、1年生と多年生に分けて5種類ずつ紹介します。

1年生雑草

● メヒシバ
イネ科のメヒシバは、非常に繁殖力の強い雑草で、他の植物の生育を妨害します。種はバラバラのタイミングで発芽するため、何度除草しても同じ場所から生えてくるので注意が必要です。

● エノコログサ
エノコログサも繁殖力が強いイネ科の雑草です。群生すると他の植物の生長を阻害します。特徴的な穂は、猫じゃらしとして知られています。

● コニシキソウ
コニシキソウは北アメリカ原産のトウダイグサ科の雑草です。オオニシキソウ、ハイニシキソウなどの仲間がいます。庭や畑、グラウンドなどで見られ、地を這うように広がります。

● カヤツリグサ
カヤツリグサ科の雑草で、庭、畑地、土手、道ばたなど身近な場所でよく見られる雑草です。茎の先から数本の花序枝が伸び、線香花火のような穂を付けます。


● スズメノカタビラ
スズメノカタビラもイネ科の雑草です。一年生ですが秋に発芽して越冬し、春から夏に枯れます。庭や畑、空き地などの他、ゴルフ場での発生が多い雑草です。

多年生雑草

● スギナ
スギナはトクサ科の雑草で、繁殖力の強さは雑草の中でもトップレベルです。地下茎は切断されても繁殖力を失いません。胞子体はツクシと呼ばれ生薬として使われることもあります。

● ドクダミ
ドクダミ科の雑草で、日当たりが悪く湿った土地が好みです。庭や空き地から山間まであらゆる場所に分布します。地下茎から分かれて伸び、あっという間に広がるので注意が必要です。

● シロツメクサ
シロツメクサはマメ科の雑草で、クローバーと呼ばれることも多いです。種子の他、茎から根が出て繁茂します。根粒菌と共生しているため、土壌改良に利用されることもあります。

● ヤブカラシ
ブドウ科のヤブカラシは、庭木やフェンス、壁などをツルでつたって伸びていきます。地上部を枯らしても地下茎が残っていると再びツルを伸ばすので防除が難しいとされる雑草です。

● カタバミ
カタバミ科の雑草で、地下部に根茎をもつ多年草ですが種子繁殖も旺盛です。カタバミは観賞価値のある植物ですが、完全な防除が難しい雑草の一つでもあります。

雑草が生えてくる原因

雑草が生えてくる原因を以下にまとめました。
・種子が風や鳥などに媒介され運ばれて土に落ちて発芽する
・種子が人の衣服や靴に付着し運ばれて土に落ちて発芽する
・土壌に根や茎が残っていて生長する

一般的に雑草と呼ばれる植物は繁殖力が旺盛なので、地面と降雨、日光さえあれば生長を続けます。
地面は、痩せていても湿っていても、それぞれに適した雑草が生えてきます。
また降雨を止めることはできません。
そのため雑草対策のポイントは、「日光を遮断して、雑草に光を当てないこと」になります。

砂利敷で雑草対策するメリットとデメリット

ここでは砂利敷で雑草対策するときのメリットとデメリットについて説明します。

砂利敷で雑草対策するメリット

砂利敷きによる雑草対策は、砂利を地面に敷き詰めることで日光を遮断し、雑草の生長を抑えます。
アスファルトやコンクリート、インターロッキングなどに比べると手間がかからず費用も安いです。
材料となる砂利は、天然ものから砕石系まで、粒径や質感、色味の違う多くの種類があります。
最近では、カラー砕石と呼ばれる素材も多数出回っており、庭や外構におしゃれな景観を簡単に
つくることができます。
また砂利を敷くことは雑草対策だけでなく、地面のぬかるみやでこぼこの補正が可能です。
歩くと擦れて音がする砂利を選べば防犯対策にもなります。

砂利敷で雑草対策するデメリット

砂利を敷くと、ヒールを履いた女性やベビーカーを押しながらの歩行はしづらくなります。
また小さいお子様が走ったり、自転車を動かしたりするときは、転倒しないように注意が必要です。
砂利敷で雑草対策した後、すき間から雑草が生えてくることがあります。砂利の下に丁寧に
防草シートを敷き込んだり、下地となる地面を転圧したりすることで生えづらくできます。
また、生えてくる部分にピンポイントで、濃い目に希釈した除草剤を散布すると、徐々に生えてこなくなるでしょう。

砂利敷で雑草対策するときの注意点

ここでは、砂利敷で雑草対策するときの注意点について確認します。

雑草対策に使う砂利の種類

雑草対策に使う砂利は、丸みを帯びたものより角張った砕石砂利を選ぶことが多いです。
角張った石同士は、摩擦が大きくて締まりやすく、雑草が生えるすき間が少なくなるからです。
粒径は、大きなものよりも小さいものほど締まりやすくなります。
ただ庭や外構に使う砂利は、敷き詰めた後の外観も重要ですし、予算の問題もあるので総合的に判断して決めてください。
また同然のことですが、砂利を敷き詰める厚みは、厚いほど雑草の生育を抑えやすくなります。
一般的な厚みとしては、防草シートを併用した場合で5cm~10cm程度です。

必ず防草シートを使用する

砂利敷で雑草対策をするときは、防草シートの併用が必須であると捉えてください。
砂利と防草シートの相乗効果で雑草の生育抑制率は各段に向上します。
土の上にそのまま砂利を敷くと、経年とともに砂利と土が混ざって地面が露出してしまい、
以前と同じ状態に戻ってしまいます。また防草シートを敷き詰めることで、日光の遮断率が
大幅に上がり雑草の生育をより抑えることが可能です。

雑草対策で砂利敷きをDIYする場合の手順と注意点

雑草対策で砂利敷きを検討される方の中には、DIYで施工したいという方も多いようです。
ここでは、DIYする場合の施工手順と注意点について説明します。
手順については、DIYでもプロに頼んでも大きな違いはありません。
ただDIYでは、丁寧さを心がけて作業することが大事なポイントだと覚えておいてください。

対策したい場所の除草をする

最初に雑草対策したい場所の除草をします。地面下の根や茎を全て取り除くことで、すき間から雑草が伸びてくるリスクを避けるためです。
除草には、草取りの他、除草剤散布も効果的です。除草剤散布は、最大限の効果を上げるように使用方法をよく読んで行いましょう。

地面の仕上り高さを決める

雑草対策する場所の除草が完了したら、地面の不陸(でこぼこ)を平らに整地したり、ゴミや石ころを撤去したりします。
それから地面の仕上り高さを決めます。この時、雨水を流す方向へ勾配をつけるのを忘れないでください。きちんと水勾配を考えないと、降雨後に水たまりができる原因になります。

高さが決まったら転圧

高さが決まったら、地面を締め固めます。締め固めることで、種が入り込むすき間が無くなると同時に空気や水分も溜まりにくくなり、雑草が育ちにくい地盤になります。
締め固めには、ホームセンターなどでレンタルできるタンパを使うと効果的です。
転圧前に、現状の地盤を10~15cmほど、路盤材(砕石砂利)と入れ替えると締固め度が
大幅にアップします。雑草はより生えづらくなり、施工の仕上りも格段にきれいになります。
ただ、この時の転圧は、プレートやランマなど本格的な転圧機が必要になるでしょう。

防草シート布設

整地し転圧したら、砂利を敷く部分に防草シートを布設します。
ロールになった防草シートは、一度に広げてしまわず少しずつ敷いていきます。
ヨレたりズレたりしないよう丁寧に敷き込み、専用のピンで留めていきます。
縁石や建物など構造物にあたる部分は少し折り重ね、シートの合わせ部分も重ねるように
してください。雑草は、わずかなすき間からの光や水で生長しますので注意が必要です。

砂利を敷き込む

最後に防草シートの上に砂利を敷き込みます。
防草シートは直射日光に当たると劣化が早まるので、砂利のすき間から防草シートが見えないよう
丁寧に敷き込んでください。その後、レーキやトンボで均します。
砂利の厚みは、砂利の種類によっても違ってきますが、5~10㎝程度が一般的です。

DIYするときの注意点

雑草対策で砂利敷きをDIYするときに注意してほしいのは、砂利敷のスペース近くに
植え込みなどがある場合は土留めをしなければなないということです。
レンガや縁石で土留めしないと、雨や風などで砂利敷部分に土が流れ込んでしまい、
そこに雑草が生えてしまいます。
また意外と重要なのが地面の仕上り高さを決める工程です。
やり方を間違うと降雨後に水が溜まったり、排水溝が溢れたりします。
難しいと感じたら、プロに頼んだ方が無難です。

砂利敷きで雑草対策するときの費用は?

砂利敷きで雑草対策するときの費用について、DIYとプロに依頼したときに分けて紹介します。
ただ紹介する金額はあくまで一般的な目安であり、現場の条件によって違ってきますので注意してください。

DIYで施工したときの費用

雑草対策でする砂利敷きをDIYで施工したときの目安は、
砂利の厚さを5cmとして30㎡で6~12万円程度になります。
スコップや鎌、ジョレンなど、庭の手入れで日常的に使うような道具は
ひと通り揃っているという前提です。
またDIYなので、ご自身の労務費は含まないものとします。

・下準備の除草剤や地均しに使うタンパのレンタルなどで、5,000~10,000円
・砂利or砕石(30㎡×0.05m)は運搬料込みで、25,000~50,000円
・防草シートとピンは耐用年数や材質で違が大きく、30,000~60,000円
・合計で60,000~120,000円

以上が、DIYで施工したときの目安となる費用です。

プロに依頼したときの費用

プロに依頼して施工してもらったときの目安は、砂利の厚さを5cmとして
30㎡で18~24万円程度になります。
砂利や砕石、防草シートなどの材料費は大きく変わらないはずです。
30㎡分だと、業者割引きを大きく期待できるほどのボリュームではないので、
ホームセンターで購入するのと同程度でしょう。

プロに依頼したときの違いは、労務費や車両費、技術費ということになります。
準備工の除草作業や地均し・転圧の段階から仕上がり具合が違ってきます。
防草シートの敷き込みでも、すき間になりやすい部分は、シートを少し重ねて
丁寧にピン留めするなどの配慮の違いです。
施工直後は、DIYとプロの施工とで見た目に大きな差は感じられないことはありますが、
時間が経つほど技術の差があらわれてくるものです。