現在、日本では空き家が増え続けており、景観の悪化や不法侵入、倒壊などのトラブルが問題となっています。そのため、令和5年(2023年)、空き家法が改正されて、空き家の除却(解体)や活用、適切な管理を推進するための措置が強化されました。

建物の老朽化とともに問題視されるのが、建物周りの雑草や大きくなりすぎた庭木の放置です。
この記事では、空き家の雑草や庭木を放置すると起きやすいトラブルと手入れの方法、空き家対策特別措置法「特別空家等」について紹介します。また、トラブルが起きた時の対処は専門業者に依頼すべき理由についても説明していますので、ぜひ最後までご覧いただき参考にしてください。

空き家の雑草を放置して起きるトラブル

空き家に限らず、住宅地で雑草を放置していると、必ずと言っていいほどトラブルが発生します。
雑草を放置して起きるトラブルのうち、代表的なものを3つ紹介します。

近隣全体の景観が悪くなる

空き家の雑草の放置は、その空き家だけにとどまらず、近隣全体に不衛生で暗い印象を与えて住宅地一体の景観を損ないます。
隣の空き家の雑草であっても、伸び放題の雑草は見た目の印象を大きく押し下げるからです。
雑草が建物自体にも影響しているのではと資産価値を目減りさせる可能性もあります。

近年、環境に対する意識は高まっており、些細なことでも注目されたり批判されたりすることが多いです。トラブルになる前に対処することをおすすめします。

蜂や蚊などの害虫が発生する

長期間放置されて伸びきった雑草は蜂や蚊などを集め、ハダニやイモムシなどの害虫の格好の住みかとなります。
大量の雑草で風通しが悪くなり多湿になるとシロアリが寄ってきやすくなります。また、植物の病気の原因になるカビや菌を発生させる可能性も大きいです。
これらの害虫や原因菌の影響は、近隣の建物や花壇、庭木へも広がって、トラブルの原因となるので注意が必要です。

不法投棄が起こりやすい

放置した雑草の草丈が伸びるほど、不法投棄が起こりやすくなります。投棄しても伸びた雑草に隠れて見えにくくなるからでしょう。
空き缶やゴミ屑に始まり、長期間放置され続けると、粗大ごみや不要になった電化製品まで投棄されるようになります。
また、人の気配が感じられないと分かると不審者が寄りつきやすくなり、防犯上のリスクも高まってくるでしょう。

空き家の庭木を放置して起きるトラブル

庭木は、住む人や訪れる方の心を和ませ楽しませてくれるものですが、山間の木とは違い最低限の手入れは必要です。空き家の庭木を放置して起きやすいトラブルについて説明します。

隣家に枝葉が侵入して支障となる

隣の空き家の大きくなった木のせいで、わが家の日当たりが悪くなったり、大量の落葉が自宅の庭に落ちてきたりするトラブルも多いです。
伸びた枝葉が強風で煽られて、自分の家の屋根や外壁を擦ったり、ぶつかったりして被害をこうむることもあります。
大きくなった木の枝は、意外と太くて硬くなっているので、台風や地震があると危険性は一気に高まります。

周囲の電線や電話線に接触する

住宅地に限らず、電線や電話線は1本の線の損傷が複数の家の支障になることもある
大切な生活の基盤です。
特に電線は、漏電や漏電が原因の引火による火災も心配です。
また電話線は、インターネットの接続に影響することも考えられます。
このような電線や電話線に空き家の木の枝が接触しているとすれば、すぐに対処が必要でしょう。

防犯上のリスクが高まり治安が悪化する

放置された庭木の成長は早く、あっという間に大きくなります。きれいに整っていた庭が、数年で見る影もないほど様変わりすることはよくあります。
庭木が繁茂しすぎて、不審者が出入りをしても気がつかなくなります。

そうなると心配なのがご近所にとって空き家が「死角」になることです。
特に夜間は、庭木だけが大きくなって人の気配はない空き家の存在は、近隣の人にとって気持ちの良いものではありません。防犯上のリスクが高まり、治安の悪化が懸念されます。

空き家対策特別措置法「特別空家等」とは

空き家の雑草や庭木を放置することで起こるトラブルについて紹介しました。このようなトラブルで近隣に迷惑をかけることを規制しているのが「空き家対策特別措置法」です。

空き家対策特別措置法では、倒壊の恐れがあって保安上危険である、衛生上有害な状態、景観を損なっている状態、周辺の生活環境を保全するのに不適切な状態の空き家を「特定空家等」と指定します。

「特定空家等」に指定されて改善を勧告されてしまうと、その状況が改善されるまで固定資産税の優遇処置が適用されません。
また、命令に従わず改善されない場合は50万円以下の過料(罰金)が課せられます。

雑草や庭木の放置だけで、特定空家等に指定されることはないでしょうが、空き家を適正に管理することが重要であることは間違いありません。


自分で空き地の雑草や庭木の手入れについて

所有する空き地の雑草や庭木を自分で手入れしたいという方もいらっしゃるでしょう。
自分でする空き地の雑草や庭木の手入れについて説明します。

除草剤・消毒剤を撒く

一般の方の雑草対策で多いのは、人力での草取りや草刈です。草取りは根から取り除くことで、草刈りは地上部を刈り取ることです。

雑草が生えている面積にもよりますが、同じ姿勢での長時間の作業のため、意外と重労働です。家事や仕事の合間にやるのは面倒に感じることもありますし、夏場の暑い日などは本当に大変です。
そこで登場するのが除草剤です。ただし、大切にしている植物やペットに影響しないように注意が必要です。

庭木が病気になったり、虫がついたりした時に撒く殺菌剤や殺虫剤を総称して消毒剤といいますが、消毒剤を散布する時も、風向きや降雨の有無など撒き方には気をつけましょう。

防草シート・マルチング材を使う

除草剤や消毒剤のような薬剤を使うことに抵抗のある方におすすめなのが、防草シートやマルチング材を使う雑草対策です。

防草シートは、雑草の発生を防ぐために地面に敷く、ポリエステル繊維や不織布などのシートのことです。マルチング材というのは、庭の土の部分を覆うための資材のことで、土壌の表面を隠すことで雑草を抑制します。

ウッドチップやバークチップなどの木質系が一般的ですが、レンガチップやカラー砕石などもマルチング材と呼ばれます。
防草シートを敷き、その上をマルチング材で仕上げるというパターンは、防草効果が格段に高くなり、見た目もおしゃれなので人気です。
但し、面積が大きくなると、整地や材料の運搬など、素人では難しい部分が出てきます。

庭木の剪定や伐採をする

自分で庭木の剪定や伐採をする時、素人が手をかけられる目安は、人の背の高さ位までの庭木です。
それ以上の高さの庭木を剪定するとなると、脚立や梯子が必要になり、落下や墜落の危険性があります。伐採では、思わぬ方向に倒れて自分が怪我をしたり、周囲の建物や植物を損傷させたりするリスクが高くなります。

また、何とか作業ができたとしても、剪定した枝葉や伐採した庭木の幹木などの処分も考えなければなりません。自治体の処分場や、地域の処理業者に問い合わせが必要でしょう。

専門業者に依頼するべき3つの理由

空き家も、今住んでいる家と同じように適切な管理をしたいものです。そういう時、頼りになるのは専門業者です。
ここでは、空き家の雑草や庭木の管理を専門業者に依頼すべき理由を3つ紹介します。

空き家が遠方にある場合は特にメリットが大きい

管理したい空き家が遠方にある場合、専門業者に依頼するメリットは大きいです。時間と交通費をかけて遠方まで行って、手入れに汗を流す必要はありません。

現在ではネットのHPなどで実績を確認して、信頼できる専門業者を選ぶことができます。
見積書のやり取り、施工状況の写真等はメールやLINEで送受信することが可能です。
支払いだけは、お互い納得のいく安心できる方法を選びましょう。

手慣れているためスピード感があり仕上りも良い

専門業者はこの道のプロですから、長年の経験に基づいた技術と知見があります。
また、手慣れた仕事のためスピード感があり、仕上がりもきれいいです。

例えば、庭木は、樹種によっては剪定の時期や強弱を変える場合があります。殺虫剤の散布も、虫の種類によっては、卵の時期の散布がいいのか、成虫まで待つ必要があるのか等の検討が必要なこともあります。
実践で培ってきた効果的な手入れができるのも専門業者に依頼するメリットの一つです。

自身の体力を浪費せず貴重な時間も取られない

業者に依頼すると、当然のことですが費用がかかります。
自分でやれば経費が節約できるからと考えますが、その分、自身の体力を浪費せず貴重な時間も取られないで済みます。
道具を買い揃えたり、薬剤や材料を購入したりする必要もありません。

また、専門業者には、庭木の伐採や全体のボリュームを落とすための枝払いなど、庭のリフォームについて相談することができます。
たとえ空き家であっても、きちんと管理された庭は住宅全体の価値を高めますから、最低限の費用はかける価値があると考えます。

お庭のお手入れなら、スマイルガーデンへ

空き家は社会全体で取り組まなければならない問題ですが、解決に至るまでには
何年も時間がかかる場合もあります。だからこそ今、実家が空き家になっている方や、
祖父母の家が空き家になっている方は、ぜひ一度プロにご相談いただきたいと思います。

空き家ではありませんが、雑草や庭木が放置されてしまったお庭をガラリと変えた
smileガーデンの過去の施工例を参考にご覧ください。

例)①

BEFORE

AFTER

庭木が高く伸びて、家や庭全体を覆い鬱蒼としています。そこに住宅があることすらわからなくなっていますね。すっきり伐採されて見通しが良くなっています。

例)②

BEFORE

AFTER

お庭の雑草が塀を超えるほど高くなっています。お隣との境も見えず、庭木の一部が塀を超えています。ご近所トラブルになる前に対処したいケースです。


いかがでしょうか?雑草や庭木を放置すると想定以上に高くなり、治安の面でも心配な場所になってしまいます。
ご実家が遠方だという方はぜひ、お気軽にsmileガーデンにお問い合わせください!