ドッグランをつくって、リードなしでワンちゃんを遊ばせたいという思いは多くの愛犬家たちがもっているでしょう。

今、人工芝でドッグランをつくる方が増えています。人工芝自体がすごく身近なものになり、メンテナンスも簡単だということで右肩上がりの人気です。

ただWeb上の情報を見ていると、デメリットや注意点も結構あるようだから、慎重に検討しようという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、デメリットや注意点をピックアップし、その対策も紹介しています。また人工芝のメリットや選び方についても説明していますのでぜひ参考にしてください。

ドッグランを人工芝でつくるデメリットや注意点と対策

ドッグランを人工芝でつくったときのデメリットや注意点を5つ紹介し、それぞれの対策についても提案しています。

人工芝は熱が溜まりやすい

人工芝は合成樹脂でできているため、熱を吸収しやすく、ため込みやすいという特徴があります。真夏の炎天下では、人工芝の表面の温度が50℃を超えてしまうこともあります。

人工芝の温度を下げるには、ワンちゃんを遊ばせる直前に、打ち水をしましょう。人工芝は高温になりやすいですが、冷めるのも早いです。

ドッグランスペースを日陰にするような工夫もおすすめです。樹高が高くて枝張りのある落葉樹を植えたり、シェードやパラソルを設置したりすればおしゃれな日陰スペースが出来上がります。

人工芝は初期費用が高めになる

ドッグランを人工芝でつくるには、初期費用が高めになります。人工芝の品質にもよりますが、材料だけでみても、人工芝は天然芝の10倍くらいの価格です。

ただし、天然芝は、水やり、芝刈り、施肥、除草など、ほぼ日常的に育成管理をしなければなりません。その他、時期によっては、目土・目砂、殺虫・殺菌、エアレーションが必要になります。

人工芝の手入れはほぼないです。人工芝の耐用年数を10年で考えたとき、結局は人工芝のほうがはるかに経済的です。

犬の排せつ物のニオイに注意する

人工芝のドッグランから、排せつ物などの「ニオイ」がすることがあります。放置しておくと、ご近所からのクレームになることもあるので注意が必要です。

まず、ドッグランの中に、ペット専用のトイレを置きましょう。
これが無理であれば、排せつ後にすぐに洗い流すことです。落としづらいときは、低刺激の酸性洗剤を使って、アンモニアを中和させてください。

ドッグランに使う人工芝は、必ず「防臭・抗菌」使用のものにすることを強くおすすめします。
ニオイの染みつき方が全然違ってきます。

犬の脱走対策をしっかり行う

ワンちゃんは自由になると、人工芝スペースに関係なく走り回ろうとします。ちょっとした障害物は飛び越えたり、穴を掘って脱走しようとしたりするので、フェンスや柵を取り付けるなどの対策が必要になってきます。

高さはワンちゃんの大きさに合わせて十分な高さが必要ですし、フェンスの末端と地面との間隔はワンちゃんの体がすり抜けないことがポイントになります。

フェンスや柵の他、植栽やプランターを障害物として見せるのも効果的です。

雑草対策が必要になる

人工芝を庭の地面部分に設置するときは雑草対策をしないと、ちょっとしたすき間から雑草が生えて、あっという間に雑草だらけになってしまいます。

対策としては、下地に雑草が育たない素材を使い、すき間なく人工芝の下に防草シートを敷くのが一般的です。防草シートは織布(クロスシート)よりも、不織布タイプがおすすめです。破損しにくく、加工もしやすくなります。

ドッグランを人工芝でつくるメリット

ドッグランで人工芝をつくるメリットを3つに集約して説明します。

犬の足腰の負担が少なくなる

人工芝の芝草には、クッション性があり、ワンちゃんたちの足腰への負担を和らげます。

近年のワンちゃんは室内飼いが主流で、フローリング生活が中心のため、足腰の関節を痛めやすくなっています。外の散歩道でも、石畳みやインター、アスファルトなど固い素材の道が多くなっています。

クッション性の高いドッグラン用の人工芝の上で思いっきり遊ぶことは、足腰の負担を軽減するだけでなく、ワンちゃんのストレス解消にも大きく貢献するはずです。

衛生的でキレイな状態を維持しやすい

ワンちゃんは、地面を見ると穴を掘ったり、体を擦りつけたりします。家に着いたら、土埃や枯れ葉まみれということは多々あります。

草が生えている場所で遊べば、ほぼ間違いなく、ダニやノミ、寄生虫も皮膚に付けています。
そういうとき、シャワーやブラッシングなど、キレイな状態を維持するのは大変です。

人工芝では、以上のような心配はしなくていいです。常に衛生的な環境で遊ばせてあげることができます。

設置場所を選びやすい

ドッグラン用の人工芝は、平らな下地とスペースさえあれば設置場所を選びやすいのもメリットの一つです。ベランダや屋上などのコンクリート部分や、アスファルト舗装の上に設置することができます。

地面に直に人工芝を設置する場合は、下地の路盤を砕石砂利と入れ替えたり転圧したりが必要です。
しかし舗装された敷地では、ほぼそのまま人工芝を張り付けることができます。

ドッグランをつくる時の人工芝の選び方

最近では、ドッグラン専用の人工芝も流通するようになっています。ドッグランとして使う人工芝の選び方を紹介します。

クッション性と密度が高く低摩擦加工

ドッグランに使う人工芝の芝草の丈は、ロングパイルとされる30mm以上が一般的です。
芝のクッション性と芝草の密度は高いほうがおすすめです。

クッション性が高いと衝撃を吸収しやすいので、ワンちゃんの足腰への負担を和らげます。
芝草の密度が高いと倒れにくくクッション性が良くなり耐用年数も長くなります。

また低摩擦加工の人工芝は、合成樹脂特有の摩擦による静電気が少なく、ワンちゃんに優しいと評価が高まっています。

防臭・防菌効果が高い人工芝

ドッグランの人工芝は、どうしても排せつ物のニオイがつきやすいです。それはすぐに洗い流したとしても、年月が経つとニオイはしみ込みやすく消えにくくなります。

できれば、防臭・抗菌加工で使用されることが多い、銀イオン(Ag+)を芝草に練り込んであるものが良いでしょう。

ゼオライト含んだ芝草も、強力な脱臭、消臭、除菌効果があります。ゼオライトは天然の鉱物で、トンネル状の孔がたくさんあり、その微細孔内の水分子を放出してアンモニアなどを吸着します。

透水性・通気性に優れた人工芝

人工芝は、雨や雪の悪天候が続いても水はけが良く、熱や湿気がこもり過ぎない通気性が重要です。
特にドッグラン用では、ワンちゃんの体毛やフケを洗浄することも頻繁にあるので、透水性・通気性に優れた人工芝であることが求められます。

下地が地面の場合には、防草用のシートを敷き、その上に人工芝を設置することが多いです。
しかし、この防草シートにニオイや汚れが引っ掛かり流れないことがあるので、できれば防草シート不要の人工芝を選びたいです。