伐採とは、根元付近から樹木を切り倒す作業です。

植木の場合は、老朽化したり手入れや管理が困難になったり、庭を更地にするなどの目的で行われることが多いでしょう。

伐採の費用設定は複雑で、一概にいくらとは言い切れないのが実情です。

というのは、伐採費用の計算法は業者によって差があるうえ、木の大きさやどんな場所に生えているかといった条件によっても費用が異なるからです。

とはいえ、ある程度の費用相場が分からないと、悪徳業者に法外な金額を請求されても気付けないかもしれません。

そこでこちらの記事では、伐採費用の計算法や、伐採に伴うオプションの費用について分かりやすくまとめました。

また、伐採業者の選び方についても紹介していきますのでぜひ参考にしてくださいね。

伐採とは?伐採費用に含まれる作業内容

伐採とは?伐採費用に含まれる作業内容

伐採とは、樹木を切り倒す作業です。

森林での伐採には残った木々に栄養をいきわたらせたり、切り倒した樹木を木材としたりといった目的がありますが、庭木の伐採は主に土地の整備を目的とされるのではないでしょうか。

伐採は根元近くで樹木を切ることなので、作業後も切り株は残ります。

残った切り株やその後の土地をどう処理するかの選択肢には、次の3パターンが挙げられます。

①切り株のまま残す
②切り株を抜く「抜根」を行う
③抜根してさらに整地も行う

この中で、伐採費用だけの支払いで済むのは①の切り株を残すパターンです。抜根や整地は「オプション作業」となるため、追加料金がかかります。

オプション費用についても気になるところではありますが、まずはメインである伐採費用の計算法について、分かりやすく説明していきます。

伐採作業費だけではない?伐採費用の計算法

伐採作業費だけではない?伐採費用の計算法

庭木の伐採にかかる費用は、伐採作業費+オプションで計算されることが一般的です。

伐採作業費の計算法は業者によって異なりますが、主に次の2つのパターンに分けられます。

①人件費×人数×日数で計算する方法
②木1本あたりの伐採費用×本数で計算する方法

それぞれ詳しく解説していきましょう。

人件費×日数で計算する方法

人件費×日数で計算する方法

まずは、①の人件費をベースに計算する方法です。この方法では、伐採に必要な作業人数と作業日数を見積もって作業費を設定していきます。

例として、業者1人あたり1日10, 000円として計算してみましょう。

1人で3日かかる仕事なら、10,000円×1人×3日で30,000円です。

3人で2日の仕事なら、10,000円×3人×2日で60,000円となります。

作業時間は半日から設定されていることが多いようですが、45分ごとに設定している業者もあります。短時間で完了する作業であれば、時間単位で計算してくれる業者を選ぶと比較的安くなるでしょう。

業者によっては出張費が加算されることもありますので、見積もりの際しっかり確認しておくことをおすすめします。

木の本数で計算する方法

木の本数で計算する方法

次は、②の伐採する木の本数で計算する方法です。

たとえば5,000円の木を2本伐採するなら10,000円と、素人にも概算が分かりやすい計算法といえるでしょう。

ただし、1本あたりの伐採作業費は、木の高さや大きさによって異なります。樹高が高く幹が太くなるほど高額になるのが一般的です。

次は、木の高さ別の伐採費用の相場を見ていきましょう。

木の高さや大きさによってちがう伐採作業費

木の高さや大きさによってちがう伐採作業費

木の高さによって伐採作業費を設定しているケースでも、その金額はエリアや業者によって大きく異なります。

あくまでも参考価格となりますが、費用相場は次の通りです。

  • 3m未満 3,000~5,000円
  • 3~5m 8,000~20,000円
  • 5m以上 15,000~30,000円

高さに加えて、幹回りの太さも考慮して費用を設定している業者も少なくありません。

たとえば高さが同じ2mの木でも、幹回りの太さが10cmなら4,000円、50cmなら15,000円といったように、太ければ太いほど伐採作業費は高額になります。

つまり、人件費で計算する方法でも木の本数で計算する方法でも、複雑で時間と手間のかかる作業になるほど高額になるということですね。

そしてどちらの計算法でも、伐採作業費に加えて発生するのがオプション費用です。

次は伐採作業に発生しがちなオプションについて、詳しく説明していきます。

伐採作業費以外にも必要?オプション費用の相場

伐採作業費以外にも必要?オプション費用の相場

伐採費用以外に発生するオプションには、次のようなものがあります。

  • 抜根費用
  • 処分費用
  • 重機使用料

そのほか、立地条件や木の状態によってリスクや難易度が高いと判断された場合は、追加料金が加算されることもあります。

まずは費用相場の目安が付けやすい、上記3点について説明していきます。

抜根作業の費用相場

抜根作業の費用相場

抜根の価格設定は、切株の太さによって設定されているケースがほとんどです。

あくまでも参考費用となりますが、抜根作業費の相場は次のようになっています。

  • 15cm未満 2,000~5,000円
  • 15~30cm 4,000~18,000円
  • 31~50cm 15,000~33,000円
  • 51~80cm 30,000~40,000円
  • 81cm以上 40,000~50,000円

処分費用の相場

処分費用の相場

処分費用とは、伐採した木や抜根した根、その作業に伴って落ちた葉などを処分するためにかかる費用を指します。

処分費用の計算法も、伐採費用と同じく業者によってさまざまです。木1本あたりの価格で計算する業者もあれば、トラック1台あたりいくらと計算する業者もあります。

1本あたりで計算する場合は、木の高さや大きさで価格が異なります。

木の高さ別の費用相場は、次の通りです。

  • 3m未満 2,000~5,000円
  • 3~5m 8,000~15,000円
  • 5m以上 12,000~30,000円

抜根された根の処分費用は、幹回りで価格が設定されることが多いようです。

  • 30cm未満 3,000~5,000円
  • 31~50cm 5,000~8,000円
  • 51~80cm 8,000~15,000円
  • 81cm 10,000~30,000円

業者によっては、「運搬費用」としてトラックの使用料が発生したり、処分する場所までの距離が遠いと費用が割増しになることもあります。

さらに、伐採した木をトラックに積むための長さ調節が必要な場合は、その手間賃が加算されることも。

処分費用にどこまでの作業が含まれているかという点も、見積もりの際にしっかり確認しておきたいですね。

重機の使用料の相場

重機の使用料の相場

植木の伐採作業には、重機を使用することも珍しくありません。

クレーン車で木の幹を吊り下げながらカットしたり、ショベルカーで根を掘り返したりします。

重機の使用料は重機の種類や大きさによって異なりますが、1日単位でレンタル料が発生するのが一般的です。

伐採によく使用される重機の1日あたりのレンタル料の相場は、次のようになっています。

  • クレーン車(10~12t) 50,000円~
  • クレーン車(25t程度) 60,000円~
  • ショベルカー 7,000円~
  • 高所作業車(8m) 20,000円~
  • 高所作業車(30m) 40,000円~

この費用相場を見ると、重機を使わずに作業してもらったほうが安価ですむと思われるかもしれません。でも、意外とそうではないのが実情といえます。

クレーン車やショベルカーが近付けない場所での伐採は、すべて人力で行うことになるため危険度や難易度が上がるからです。

そして、高度な技術や特殊な作業が必要なケースにも、オプションとして追加費用が発生することになります。

伐採費用が相場よりも高くなるケース

伐採費用が相場よりも高くなるケース

高い木を倒さずにそのまま伐採する方法を「特殊伐採」といいます。狭い場所や周囲に建物がある場所に立っているなどに必要とされる高度な技術。特殊伐採は通常の伐採費用より高額となることが一般的です。

そして、立地や木の状態によって作業リスクや難易度が高いと判断される場合も、伐採費用が高額になります。

作業リスクや難易度が高いとされるのは、次のようなケースです。

  • 傾斜地に立っている
  • 電線や光ケーブルなどの近くに立っている
  • 庭の近くまで車両が入らず、運搬の手間がかかる
  • 狭い場所に立っていて、トラックやクレーンが近付けない
  • 伐採する木の足場がない
  • 木が腐っていて倒れる危険がある
  • 樹幹が横に広がっていて、切り倒す前に枝を調整する必要がある

作業リスクや難易度の高いケースは、残念ながら費用相場を出すことはできません。伐採する立地や木の条件はもちろん、業者やエリアによっても費用の幅があまりにも大きいからです。

このようなケースでの伐採は、複数の業者から見積もりを取って比較してみることをおすすめします。見積りの際には、どんな場所に立っているどれくらいの大きさの木を伐採したいのか、しっかり伝えてくださいね。

いつ行う?伐採に適した季節はある?

いつ行う?伐採に適した季節はある?

伐採は「木を取り除きたいと思ったときがそのとき」といえるほど、いつでも可能な作業です。

でも、もしも季節を選べるのなら、木の種類によってベターな季節があります。

たとえば、落葉樹なら葉が落ちたあと。葉が少ないため作業の手間は減りますし、処分費用も安くなるでしょう。

花をつける樹木なら、花が咲く前に伐採するのがおすすめです。ハチを予防する効果も期待できるからです。

柿のように実がなる樹木なら、葉と実を落とした12~2月が良いとされています。

このように、最適な季節は気によって異なります。費用も含め、いつどのように伐採するのがベストかは、植木に詳しい業者に相談してみるのが一番です。

次は、伐採業者の選びかたとおすすめの業者を紹介していきます。

伐採業者はどこで探す?おすすめの業者を紹介

伐採業者はどこで探す?おすすめの業者を紹介

伐採を行っているのは伐採業者だけではありません。植木屋や造園業者、そして便利屋やシルバー人材センターでも伐採の依頼を受け付けています。

伐採への専門性の高さを考慮しておすすめするなら、次のような順になります。

①伐採業者
②植木屋・造園業者
③便利屋・シルバー人材センター

ただし、伐採を専門に行う伐採業者は、個人の依頼には対応していないこともあります。

便利屋やシルバー人材センターは比較的安価な点が魅力ですが、経験者が来てくれるとは限らないため当たりはずれがあるようです。

植木屋や造園業者なら、植木に詳しいというメリットがあります。地元の業者や全国展開している業者を選べば、間違いなく対応してくれるでしょう。

地元の植木屋や造園業者は、インターネットで探すのが便利です。「伐採 ○○市」で検索してみてください。

全国展開している業者なら、見積もりの相談がしやすく費用相場が分かりやすい業者がおすすめです。

  • smileガーデン
  • 伐採110番
  • お庭マスター

上記3社の公式サイトでは、WEBでの見積もりを24時間受け付けています。

公式サイトがしっかりしていると、実績や口コミでの評判を知れるのもありがたいですね。

まとめ

まとめ

伐採費用は、一概にいくらとはいえない複雑な価格設定となっています。

計算法は業者によってさまざまですし、伐採する木の状況によって費用に大きな差が出ます。

無駄に高くなるのはもちろん嫌ですが、安全な伐採のためには必要となる作業もあります。

どんな作業が必要になるかは、信頼できるプロの目で判断してもらわなければ分かりません。

そして、信頼できるプロなのかどうかを判断するために、複数の業者で見積もりを取ることをおすすめします。

どんな作業をどこまでやってもらえるか、いくらくらいの費用が発生するのかしっかり確認して、後悔のない伐採を行ってくださいね。