ドラセナは種類にもよりますが、おおよそ5m以上に育つ生育旺盛な植物です。室内で鉢植えで育てていても2m以上の樹高になってしまうこともあるため、適度に剪定をしてサイズをコントロールしましょう。また、広がり過ぎた樹形を整えたり、病害虫で弱った部分を切り戻すことも大切です。ここでは、ドラセナの剪定の時期について解説します。

剪定は病害虫を防いだり成長を促進したりする効果がありますが、剪定の時期を間違ってしまうと植物に負担をかけてしまうことになります。

もともと亜熱帯で育つドラセナの剪定時期は、植物が最も元気に成長する5月～10月の成長期に行います。ただし、7月～8月は日差しが強く、葉が日焼けしてしまう可能性があるため、4月～6月に剪定を済ませておくのがベストです。

ドラセナを庭で育てるにしても、屋内で観葉植物として楽しむためにも、樹高や樹形を好みによってコントロールし、健康な育成を促す剪定を行いましょう。

ここからは、ドラセナの剪定をするために必要な道具、基本の剪定方法、ドラセナの剪定で失敗しないための注意点を紹介します。

ドラセナの剪定に必要な道具は以下の通りですが、ドラセナの剪定で失敗しないための注意点も紹介するので、剪定に挑戦する前にご一読ください。

ドラセナを剪定する時には、剪定用の手袋を着用しましょう。剪定中に枝の切り口や刃物などで手指を傷つけるのを防ぎます。手のひら側が樹脂コーティングになっているものは、剪定バサミやノコギリが滑りにくく安全です。

ドラセナの剪定ではあまり使用しませんが、ペンチのような形をした剪定用のハサミが剪定バサミです。直径1～2cm程の枝を切るのに使います。

剪定バサミには、バイパス式とアンビル式の2種類がありますが、ドラセナの剪定でもし使用する場合はバイパス式がおすすめです。バイパス式は上下の2枚の刃を交差させて枝を切断するタイプで、比較的柔らかいドラセナの幹や枝を切断するのに向いています。

庭木バサミは刃先が細いので、剪定バサミでは入りにくい込み入った場所に入りやすく、小回りが利きます。
剪定バサミほど太い枝は切れませんので、細い枝や最後の仕上げに使用します。

取手の片方の輪には親指を、もう一方の輪には中指から小指までを入れて、人差し指は外に出してハサミを支え、安定させて使うのがコツです。

ドラセナの剪定バサミでは切れないような直径2cm以上の太さの枝は、剪定用のノコギリで切りましょう。
木工用ノコギリとは違い、お侍さんの脇差のようなノコギリです。
細身で刃先20cm～30cmの軽量なものがおすすめです。

ドラセナの枝を切っている最中に、枝の重みで樹皮が裂けてくることがあります。
切る枝の付け根の下部に切り込みを入れてから、その少し外側をノコギリで切れば、皮が裂けても切れ込みのところでストップしてくれ、見栄えが悪くなるのを防ぎます。

背の高いドラセナの樹木を剪定するときに使用します。

脚立には2タイプあり、ひとつは一般的な四脚（4つ足タイプ）、もうひとつは一方が梯子、もう一方が一本足になっている三脚（3つ足タイプ）があります。

造園では主に三脚が使われます。
なぜなら、樹木の剪定では、幹や枝の隙間に足をねじ込み脚立を立てねばならない場合が多くあるためです。

脚立には、一番上の段に載って作業しない、上を向いて作業しない、などのルールがあります。
危険防止のため遵守しましょう。

太い幹を剪定した後の切り口に塗ります。ドラセナの剪定で使う癒合剤としておすすめなのは、トップジンＭペーストやカルスメイトなどです。

高枝切りバサミ（細い枝なら脚立不要でカットできます）、熊手（剪定した葉や枝を集めるのに使用します）、箕（ちりとり代わりに使います）、シュロ縄（切ってはいけない枝を一時的にまとめておく）フレコンバッグ（枝葉を入れるごみ袋です）などがあると便利な道具です。

ドラセナの剪定は、以下の手順で行いましょう。

 

普段の基本的な剪定

病害虫に侵されている場合や単純に枯れた葉は変色しますので取り除き、新しい葉の成長を促しましょう。
ドラセナの普段の剪定は基本的にそのような葉をむしり取る、もしくはハサミで切るだけで大丈夫です。

なお、ドラセナは古い葉は自動的に茶色く枯れて垂れ下がりますが、それは自然のことですので、心配しなくても大丈夫です。毎年下の方の古い葉は茶色く枯れていきます。

 

切り戻し剪定

ドラセナは上へ上へと成長するため、室内で育てている場合は背丈の調整が必要になります。切断した部分からさらに成長することを見越して、好みの高さよりもやや低い位置で、幹を水平に切り戻しましょう。新芽は切り口のやや下から発生するので、剪定後の樹形はうねりが出ます。

 

切り口のケア

太めの枝や幹を切った場合は、切り口に細菌などが入り込まないよう、癒合剤を塗りましょう。切り口が枯れにくくなり、剪定後の安定した生長につながります。

 

樹勢の弱ったドラセナの剪定

病害虫や冬の寒さなどで全体的に樹勢が衰えてしまったドラセナは、思い切った剪定によって復活させることもできます。成長期が始まる前に葉の出ている部分を全て切り落とし、新芽が出るのを待ちましょう。

ドラセナの剪定で注意したい点は、以下の通りです。

 

①剪定で切る場所は成長点を目安にする

ドラセナの幹を切り落とすと、新芽は切り口の下の成長点から発芽します。成長点は幹の中で小さく黒っぽいコブのような箇所です。剪定では、成長点を目安にして少し上部分で切るようにしましょう。剪定により2つの成長点から新芽が出ることもあります。

 

②複数の枝は高低差を出す

複数の枝が密集したドラセナでは、どの角度から見えるのかを考えて剪定しましょう。枝を同じ高さで切り揃えるのではなく、高低の差をつけると葉が分散されます。基本的には奥の枝を高く、手前を低く切ると、立体感が出て美しく見えます。

 

③剪定後のケアが大切

ドラセナを剪定した後は、切り口には癒合剤を塗布しましょう。観葉植物の場合、その後は、普段よりも少しだけ日当たりの良い場所や、風通しの良い場所に置くと回復が早くなります。ゆっくりと効き目が出る緩効性化成肥料を与えると、剪定後のドラセナの成長を促してくれます。

 

④剪定で切った枝は挿し木で増やそう

剪定で切り落とした枝は、土を入れた植木鉢に挿しておけば、いずれ根が出てくる場合があります。（挿し木の技術が必要ですが・・・）

剪定で切った枝でどんどん株を増やしていけるので、ぜひ試してみてください。

ドラセナは亜熱帯地域を原産なので、日本のほとんどの地域では地植えに向きません。ただドラセナの品種の中には耐寒性の高い品種もあり、九州地方や本州の関東以西などの温暖な地域では、屋外に地植えで育てることも可能です。

庭木としてドラセナを育てた場合、樹高5m以上に大きく成長することがあります。大きなドラセナの剪定には脚立が必要となり、高所での作業には危険が伴います。

また、ドラセナはユニークな樹形が魅力ですが、一度大きくなってしまったドラセナを小さくかっこよく仕立てるのは素人には難しい作業かもしれません。

ドラセナを自分で剪定するメリットとデメリットを紹介します。自分で剪定するか業者に依頼するかで悩んでいる方は、メリットとデメリットをよく比較した上で判断してください。

 

メリット

・剪定道具を揃えてしまえば、ほぼ費用がかからない
・自分のスケジュールで剪定できる
・満足感や達成感が得られる

 

デメリット

・剪定道具の購入に費用がかかる
・剪定道具の収納場所が必要になる
・脚立や刃物を使った作業でケガをする危険性がある
・剪定後の枝葉ゴミを自分で処理する必要がある
・時間が取られる
・脚立から落下する可能性

ドラセナの木を自分で剪定することに少しでも不安を感じる場合は、剪定のプロである造園業者や庭師に剪定を依頼することをおすすめします。

ドラセナの剪定を請け負っている業者は、スマイルガーデンのような全国展開しているチェーン店がおすすめです。ウェブサイトからお住まいの地域にあるチェーン店を検索でき、オンラインで見積もりも取れます。

地元の庭師や造園業者から探す場合は、近所の人や知り合いが実際に使ったことがある業者の中から評判の良いところを選ぶのが安心です。ネット検索で探す場合は、口コミやレビューなどを参考にしましょう。

業者に剪定を依頼するまでの流れは以下の通りです。

①業者に直接電話をかけるか、ウェブサイトの問い合わせフォームを使って、ドラセナ剪定の相談をしてみましょう。剪定してもらいたい樹木の種類、高さ、本数などを伝えましょう。

②オンラインや電話だけで剪定料金を提示してくる業者もありますが、現地調査しないと正確な見積もりが出せないことも多いです。まずは業者に現地を見に来てもらう日時を決め、見積もりを出してもらいましょう。現地調査と見積もりまでは無料で行ってくれる業者が多いです。

③できれば最低3社から相見積もりを取りましょう。見積もり金額と業者の対応を総合的に比較して、依頼する業者を選びましょう。剪定料金全額を前払いを求めない業者だと、最後まできちんと対応してもらえるので安心です。

ドラセナの剪定は自分で行うことも可能ですが、プロの業者に依頼するメリットも多くあります。ここでは、造園業者や庭師に頼むメリットについて解説します。

 

良い仕上がりが期待できる

ドラセナはユニークな樹形が魅力で、南国風の庭のシンボルツリーとして人気があります。造園業者や庭師に剪定を依頼すれば、枝ぶりを見ながら不要な枝を取り除き、シンボルツリーとして見栄えのある樹形に整えてもらえるでしょう。

 

危険な作業を担ってもらえる

ドラセナを庭木として植えた場合、生育環境が合えば樹高3～5mと大きく成長することもあります。育ち過ぎたドラセナの剪定は脚立を使って行う必要がありますが、素人が脚立を使って行う剪定作業には危険が伴います。脚立が必要になる高木の剪定は業者に任せるのが安心です。

 

枝葉ゴミの処分もしてもらえる

ドラセナの剪定後には多くの枝葉ゴミが発生します。自分で剪定する場合は枝葉ゴミの処分も自分で行わなければならず、お住まいの自治体の規定に基づいて枝を一定の長さで切り揃えたり、細かな葉や小枝をゴミ袋に詰めたりするのに大変な労力を要します。業者に剪定を依頼すれば、枝葉ゴミの処分まで行ってもらえるので安心です。

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