ムクゲは生育旺盛なので、定期的に剪定を行わないと樹高4～5mまで成長してしまいます。ここでは、ムクゲの剪定の時期について解説します。

ムクゲの剪定は落葉後の11月から翌年の3月にかけてが最適です。葉が落ちている時は枝ぶりを見ながらの剪定作業がしやすく、また休眠期でもあるためダメージも最低限に抑えられます。
ただし、適期以外だからと言って剪定できないわけではありません。極端なこと言うと1年中剪定することができます。
しかし、その場合は、切る量に気を付けなければなりませんし、剪定時期を間違えると花が咲きにくくなります。
なお、花を楽しみたい場合は、5月上旬頃までに剪定すれば、その年の花が咲きます。

ムクゲの強剪定は、木の休眠期である11月～2月が最適です。ムクゲは落葉樹なので、冬の間は切るべき枝とそうでない枝の判断がしやすく、剪定による木への負担も最小限に抑えられます。

※あくまでも適期です。基本的には真夏以外は大丈夫ですが、樹種・時期にあった剪定方法がございますので、詳しくはお問い合わせくださいね。

不要な枝や弱っている枝・枯れた枝を取り除く軽剪定（透かし剪定）は、花芽ができるまでの3月～4月または、花が咲き終わった9～11月に行いましょう。この時期は、花芽を気にせず剪定しやすい時期です。

※あくまでも適期です。基本的には真夏以外は大丈夫ですが、樹種・時期にあった剪定方法がございますので、詳しくはお問い合わせくださいね。

ムクゲのように、夏に咲く花の木は、直前の春に花芽をつけるので、6～7月に剪定すると花の量が減ってしまいます。注意しましょう。

透かし剪定なら、切る枝と残す枝があるので花芽のすべてを落とす失敗がなく、おすすめです。

ただし、花の鑑賞にこだわらない場合は特に剪定時期を気にする必要もありません。

ムクゲの剪定を自分でしたいという方のために、剪定に必要な道具や基本の剪定方法を紹介します。また、ムクゲの剪定で失敗しないための注意点も紹介するので、剪定に挑戦する前にご一読ください。

ムクゲの剪定に必要な道具は以下の通りです。

用途によって様々な造園道具がありますが、それら使用の上では十分注意しなければなりません。
一つずつ見ていきましょう。

ムクゲの剪定で最も活躍するのが、ペンチのような形をした剪定用のハサミです。直径1～2cm程の枝を切るのに使います。

剪定バサミには、バイパス式とアンビル式の2種類があります。バイパス式は上下の2枚の刃を交差させて枝を切断するタイプで、生きた枝を剪定するのに向いています。アンビル式は下刃が受け皿状になっているのが特徴で、硬い枝や枯れた枝を剪定するのに向いています。

剪定バサミはバイパス式もアンビル式もサイズがいろいろあります。手の大きさに合わせて使いやすいものを選びましょう。

植木バサミは通常のハサミの形をした園芸用のハサミで、直径1cm以下の細い枝を切る時に使います。

取手の片方の輪には親指を、もう一方の輪には中指から小指までを入れて、人差し指は外に出してハサミを支え、安定させて使うのがコツです。

太い枝を剪定した後の切り口に塗ります。ムクゲの剪定で使う癒合剤としておすすめなのは、トップジンＭペーストやカルスメイトなどです。

ムクゲの剪定では必ず剪定用の手袋を着用しましょう。剪定中に枝の切り口や刃物などで手指を傷つけるのを防ぎます。手のひら側が樹脂コーティングになっているものは、剪定バサミやノコギリが滑りにくく安全です。

熊手（剪定した葉や枝を集めるのに使用します）、箕（ちりとり代わりに使います）、シュロ縄（切ってはいけない枝を一時的にまとめておく）フレコンバッグ（枝葉を入れるごみ袋です）などがあると便利な道具です。

手の届かない高さの枝を切る時には、脚立を使用します。脚立には脚が4本ある四脚タイプと、脚が3本ある三脚タイプの2種類がありますが、造園業では地面が凸凹した屋外でも安定しやすい三脚タイプを使うのが一般的です。

脚立を使用する場合は、一番上の段に載って作業しない、上を向いて作業しないなどのルールがあります。
危険防止のため遵守しましょう。

ムクゲは自然に箒状の樹形に整いやすい庭木です。休眠期に行う強剪定では、自然樹形を残しながら樹高と樹幅をコントロールすることを目指しましょう。強剪定の手順は以下の通りです。

 

強剪定の手順

①木の全体を見て、剪定後の樹高や樹幅をイメージする。
②枝が分岐している部分から、5～10cm離れた場所を剪定ノコギリで切る。
③切り口に癒合剤を塗る。
④枝が込み合うのを防ぐために、全体の透かし剪定を行う。

 

軽剪定（透かし剪定）の手順

軽剪定（透かし剪定）では、不要な枝や弱っている枝を取り除きます。枝が込み合っている部分の枝を落とすことで、樹木の風通しをよくして病害虫を防ぐ目的もあります。

①木の全体を見て、枝や葉が込み合っている部分を見つける。
②内側に向かって生えている枝、他の枝と交差している枝など不要な枝を取り除く。
③ひこばえは根元から、徒長枝、からみ枝、平行枝、内向き枝、下り枝などの不要枝などの不要枝は基部から切る。

 

ムクゲの剪定で注意したい点は、以下の通りです。

①成長期の剪定はNG
ムクゲは夏の間は生育が旺盛で、毎日大輪の花を次から次へと咲かせます。この時期には樹高もどんどん高くなりますが、大きく成長し過ぎたからといって枝を切ってしまうと、木に大きなダメージを与えます。剪定は落葉後まで待ちましょう。

②透かし剪定が基本
生育旺盛なムクゲは、剪定せずに放っておくと枝や葉が生い茂り害虫がつきやすくなってしまいます。剪定作業は樹形を整えるというよりは、込み合った部分を解消する透かし剪定を中心に行います。落葉後の枝ぶりをしっかり見て、葉が生えてきたら込み合いそうな部分の枝を切り落としましょう。

③太めの切り口には癒合剤を塗る
強剪定の際に太い枝を切った場合、切り口から雑菌が侵入したり、切り口から出た樹液に害虫が集まったりする可能性があります。切り口には癒合剤を塗布して保護しましょう。

ムクゲは丈夫で樹勢の強い植物なので、時期さえ間違えなければ素人でも簡単に剪定可能です。しかし、多忙で庭仕事をする時間が取れない方や、剪定道具を揃えるのが大変だと感じる方も多いでしょう。

自分で剪定するのが難しい場合は、造園業者・庭師に剪定を依頼するという手もあります。

ムクゲを自分で剪定するメリットとデメリットを紹介します。
自分で剪定するか業者に依頼するかで悩んでいる方は、メリットとデメリットをよく比較した上で判断してください。

・剪定道具を揃えてしまえば、ほぼ費用がかからない
・自分のスケジュールで剪定できる
・満足感や達成感が得られる

・剪定道具の購入に費用がかかる
・剪定道具の収納場所が必要になる
・剪定後の枝葉ゴミを自分で処理する必要がある
・時間が取られる
・脚立から落下する可能性

ムクゲの木を自分で剪定することに少しでも不安を感じる場合は、剪定のプロである造園業者や庭師に剪定を依頼することをおすすめします。

ムクゲの剪定を請け負っている業者は、スマイルガーデンのような全国展開しているチェーン店がおすすめです。ウェブサイトからお住まいの地域にあるチェーン店を検索でき、オンラインで見積もりも取れます。

地元の庭師や造園業者から探す場合は、近所の人や知り合いが実際に使ったことがある業者の中から評判の良いところを選ぶのが安心です。ネット検索で探す場合は、口コミやレビューなどを参考にしましょう。

業者に剪定を依頼するまでの流れは以下の通りです。

①業者に直接電話をかけるか、ウェブサイトの問い合わせフォームを使って、剪定の相談をしてみましょう。剪定してもらいたい樹木の種類、高さ、本数などを伝えましょう。

②オンラインや電話だけで剪定料金を提示してくる業者もありますが、現地調査しないと正確な見積もりが出せないことも多いです。まずは業者に現地を見に来てもらう日時を決め、見積もりを出してもらいましょう。現地調査と見積もりまでは無料で行ってくれる業者が多いです。

③できれば最低3社から相見積もりを取りましょう。見積もり金額と業者の対応を総合的に比較して、依頼する業者を選びましょう。剪定料金全額を前払いを求めない業者だと、最後まできちんと対応してもらえるので安心です。

ムクゲの剪定は自分で行うことも可能ですが、プロの業者に依頼するメリットも多くあります。ここでは、造園業者や庭師に頼むメリットについて解説します。

造園業者や庭師に依頼する最大のメリットは仕上がりのクオリティが高いこと。木の状態や枝ぶりを見ながら、適切な時期に適切な個所を切ってもらえます。

剪定に必要な道具を揃えたり、実際に剪定作業をしたり、後片付けをしたりと、自分で剪定するには時間がかかります。仕事が忙しくてなかなか休みが取れない方、せっかくの休みの日は趣味や家族の団らんに費やしたい方は、業者に剪定をしてもらうのが良いでしょう。

成長し過ぎたムクゲを大きく切り戻したり、複数の木の剪定を行ったりする場合、剪定後には大量の枝葉ゴミが発生します。自分で剪定する場合は枝葉ゴミの処分も自分で行わなければならず、お住まいの自治体の規定に基づいて枝を一定の長さで切り揃えたり、細かな葉や小枝をゴミ袋に詰めたりするのに大変な労力を要します。業者に剪定を依頼すれば、枝葉ゴミの処分まで行ってもらえるので安心です。

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